投資における分配金と配当金の違いって?

堀内一樹
堀内一樹

【投資】 【分配金】 【配当金】 【違い】 【解説】

投資の世界には、様々な用語が存在し、初心者にとっては理解が難しいと感じることがあります。その中でも、「分配金」と「配当金」はよく混同されがちです。どちらも投資家にとって嬉しい収入源ですが、実は仕組みや対象となる金融商品が異なります。この記事では、分配金と配当金の違いを分かりやすく解説し、投資判断に役立つ情報を提供します!

分配金とは?

分配金とは、投資信託などの 積立投資商品 に投資した際に、その商品の運用益の一部が投資家に分配されることです。具体的には、以下の手順で分配が行われます。

  1. 投資信託の運用会社は、預かった投資資金で株式や債券などを購入し、資産を運用します。
  2. 運用によって利益が出た場合、その利益の一部を投資家に分配金として支払います。

分配金の頻度は商品によって異なりますが、毎月、四半期、年1回などがあります。また、分配金の額は、商品の運用成績や分配方針によって変動します。

例:

あなたは毎月1万円を投資信託に積み立てています。その投資信託の運用成績が良い場合、運用益の一部が分配金としてあなたに支払われます。例えば、1年間で5%の運用益が出た場合、あなたの積み立て額(12万円)に対して5%の分配金が支払われる計算になります。

配当金とは?

配当金は、株式 を保有している投資家に、企業が 利益の一部 を配当として支払うことです。

  1. 企業は、事業活動によって利益を上げると、その一部を株主へ還元するために配当金を決定します。
  2. 配当金の決定は、株主総会で承認されます。
  3. 決まった日にちに、株主の口座に配当金が振り込まれます。

配当金の額は、企業の業績や配当方針によって異なります。また、配当金を受け取るためには、 「権利確定日」 に株式を保有している必要があります。

例:

あなたはA社の株式100株を保有しています。A社が2023年度の決算で、1株あたり50円の配当金を決定し、6月30日が権利確定日と発表しました。この場合、6月30日時点でA社の株式を100株保有していれば、5,000円(100株 × 50円)の配当金を受け取ることができます。

分配金と配当金の比較

分配金と配当金は、どちらも投資家にとって嬉しい収入源ですが、以下の点が異なります。

特徴 分配金 配当金
対象となる金融商品 投資信託など 株式
支払いの元 運用益 企業の利益
頻度 月間、四半期、年1回など 年1回(または複数回)
運用成績や分配方針によって変動 企業の業績や配当方針によって変動

分配金と配当金のメリット・デメリット

分配金のメリット

  • 毎月、四半期、年1回の頻度で分配金を受け取ることができるため、安定した収入源となる。
  • 投資信託はプロが運用するため、初心者でも比較的簡単に始められる。

分配金のデメリット

  • 分配金は運用益の一部であり、必ずしも支払われるとは限らない。
  • 運用成績によっては、分配金が少なくなる場合もある。

配当金のメリット

  • 企業の業績が良い場合、高額な配当金を受け取ることができる。
  • 長期保有することで、複利効果による資産増加が見込める。

配当金のデメリット

  • 企業の業績が悪化すると、配当金が減額または無配となる可能性がある。
  • 配当金は権利確定日に株式を保有している必要があるため、タイミングを見極める必要がある。

投資における分配金と配当金の選び方

分配金と配当金は、投資目標やリスク許容度によって選ぶべきものが異なります。

  • 安定した収入源を求める場合:毎月分配型の投資信託が適しているかもしれません。
  • 長期的な資産形成を目指し、企業の成長に期待する場合: 配当金を重視する株式投資がおすすめです。

参考資料

投資信託に関する情報 – 金融庁

分配金の税金は?

分配金には、20.315%の所得税住民税(5~10%) が課されます。ただし、NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用することで、税金を抑えることができます。

配当金の税金は?

配当金にも、20.315%の所得税住民税(5~10%) が課されます。ただし、特定口座で株式投資を行えば、税率が軽減される場合があります。

分配金と配当金の計算方法について教えてください

分配金の計算方法は、投資信託によって異なります。一般的には、運用益を分配対象額とし、その額を保有する口数で割り算して分配金額を算出します。配当金の計算方法は、企業の決算に基づき、1株あたりに支払われる配当金の金額が発表されます。

分配金と配当金はどちらの方が有利?

どちらが良いかは、投資家の投資目標やリスク許容度によって異なります。安定した収入を求めるなら分配金、企業の成長に期待するなら配当金が適しているでしょう。

分配金と配当金を受け取るにはどうすればいいですか?

分配金は、投資信託会社から口座へ自動振込されます。配当金は、証券会社を通じて口座へ振り込まれます。権利確定日に株式を保有していれば、自動的に受け取ることができます。

投資信託と株式投資のどちらが初心者向き?

投資信託 はプロが運用するため、初心者でも比較的始めやすいと言われています。一方、 株式投資 は企業分析などの知識が必要となるため、ある程度の勉強が必要です。

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